Queuing Theory

Marsyas2004-03-26

Operation Managementの試験が終わった。

生産・在庫管理などのプロセスマネジメントを学ぶわけだが、この分野は日本企業が最も得意とする部分である。日本人学生にとって、継続的改善、自働化(にんべんのついた自動化)などコンセプトとしては目新しいことはないが、試験ではひたすら数学的な問題処理が問われる。

一例を挙げると、ある病院で一時間あたり20人の患者が訪れるとする。受付にかかる時間が平均5分、診察に20分とし、患者一人当たりの診察料が5000円、医師の賃金を時給1万円とする。患者の待ち時間1分あたりコストが1000円(顧客満足度が低下することで、他の病院に患者が流れる可能性を考慮する)かかるとすると、医師の数はどれくらいにすると利益を最大化できるか、といった類の話である。

こうした分析をQueuing Theoryというが、必ずしも行列を分析するのが目的ではない。企業にとっては生産ラインを組む場合の基本的な考えであり、様々な分野に応用が可能だ。

しかしながらヨーロッパへ行くと、どこへ行っても行列だ。ロンドンから長距離バスで郊外に行こうとした時、切符一つ買うのに30分以上並んで、予定が大幅に狂ったことを思い出す。

先日スーパーで買い物をしていると、閉店間際ということもあって、20人くらいがキャッシャーの前で並んでいる。キャッシャーは二つあるのに、一つしか使われていない。人が足りないのかと思ったら、他の店員は早々と店じまいの準備をしている。日本だったら…と考えるのはナンセンスだが、片づけをする前にやることがあるだろ!と日本のオバサンの声が聞こえてきそうだ。

本当に重要なのは、小難しい理屈を並べる前に、従業員一人一人が目の前のボトルネックを解消するために主体的に考え、行動する、そのための動機づけである。トヨタの現場主義の哲学はまさにそこにあるわけだ。

蛇足だが、日本語で言うレジはcash registorの略であることに初めて気づいた。だがこの略し方は間違った英語である。Where is the "regi"?と言っても通じない。cash registerかcashierが正しい。