The Equal Life

Marsyas2004-04-14

時間が経つのは早い。この日記を書くのも、二週間ぶりである。意気込んでスタートさせたが、ボーっとしているうちに時間が経ってしまった。先週から今週にかけてイースター休暇で時間はいくらでもあったはずなのに。。。

で、この二週間を改めて振り返ってみると、実は書くネタはいろいろあった。まずイラクの日本人人質事件。自衛隊を撤退させなければ、人質を生きたまま殺すという衝撃的な脅迫が届いた。先日のスペインの列車爆破もあったし、多くの人は本当に殺されるだろうと考えたに違いない。

これについてはいろいろな意見がある。ニュースでは自衛隊派遣に反対するデモや署名活動の様子が報じられているようである。が、一方で、自己責任、自業自得と考えている人も少なからずいる。

某巨大掲示板サイトを見ると、外務省の退避勧告を承知の上で、イラクに行った人間に同情する余地はないとか、家族が日本政府を非難する権利はない、何でもかんでも政府の責任にするのは日本人のお上意識の現われ、等々の意見が散見される。

私も最初はそう思った。でも今回のような事態になることを一体誰が予想していただろうか。退避勧告というのは、どの程度の危険を伴うものか、これは平和ボケした日本人には今ひとつピンとこない。一歩間違えば、戦闘に巻き込まれて命を落とすこともある。そんなことは、あの三人なら十分承知していただろう。しかし自分たちが人質にとられて、日本の外交政策が揺さぶられるほどの事態は、想像力の範囲を遥かに超えている。そこまでのリスクは退避勧告を出した当の外務省の幹部でも認識していなかっただろう。

動機はそれぞれにせよ、戦場に赴く行動力と勇気、ボランティア精神を無下に非難してはいけないのではないかと思う。あのようなバイタリティを今の多くの日本人は失っているからだ。

3人の人命を救う。このことに日本政府は最大限頑張って欲しいと思う。万が一、一人でも殺された場合は、政権基盤さえ危うくなりかねないだろう。しかし仮に無事に助け出されたとしても、いろいろと思いは尽きない。

人間の命は平等ではない、そう思った。日本人三人だから、我々はこんなに大騒ぎしている。しかし今この瞬間でも、世界のどこかで無実の民が無下に殺されているはずである。内戦の絶えないアフリカの某国かもしれない。中国もはっきりいってそれに近い。それはアメリカの利権が絡まないから、話題にならない、話題にされないだけの話である。

人の命は地球よりも重い、といった人がいる。それは認める。だがその命は決して平等ではないという現実を忘れてはいけないのである。