日本料理

Marsyas2004-03-28

海外で長く生活していると、どうしても日本料理が恋しくなる。しかし中には、日本料理もどきの店も少なくない。こうした店はメニューを見ればすぐ分かる。だいたい「揚げだレ豆腐」「梅サフー」といった間違いが必ずあるからだ。

Non-Japaneseが作る日本料理は、どうしても地元テイストになるので、日本人の口には残念ながら合わない。ラーメンの中にトンカツを入れて、ボリューム感を出そうなどとは、普通の日本人では思いつかない独創的な料理にお目にかかる。

最近はバスと電車を乗り継ぎ、わざわざ一時間もかけて、日本人が経営するトンカツ屋に足を運ぶ(高いが味は確か)。学生の頃、海外で日本料理を食べたいなどと思ったこともなかったのだが、年を取ったのかもしれない。

以前、ロンドンにいたとき、ドイツ人・イタリア人の友人から本当においしい日本料理を食べたいといわれ、ある鉄板焼屋に連れて行ったことがある。ロンドンで生活している人は、聞いたことがあろう有名な店である。確かに美味かった。特にシーフード系はいいネタを使っており、目の前の鉄板で踊るロブスターを見て、皆えらく興奮していた。ワイン通のイタリア人は、新潟の久保田の味が気に入ったらしく、日本から直輸入する方法はないか真剣に聞いてきた。

さて会計である。正確な数字は忘れたが、四人で500ポンドくらいだったと記憶している。190円/ポンドとすると、一人24000円である。何かの間違いではないかと思い明細を確認したが、確かにそれくらいの量を注文している。いろいろなものを食べたい、そして本当に美味しいものを、というリクエストに応じたわけだが、さすがにこの金額にはびっくりした。

友人には泣いて頼んで4分の1ずつ出してもらった。ドイツ人の友達は、レストランでこれだけカネを出したのは初めてだよと半分嫌味を言われたが、それを言ったらこっちも一緒である。日本に来たときは、安くて美味しい店に必ず連れて行くから、と約束して納得してもらったが、日本料理はとにかく高いというイメージを強烈に与えてしまったようである。